服部 まゆみ著 この闇と光
「この闇と光」
服部 まゆみ著
角川文庫 初版:平成13年
カバーイラストの美しさでジャケ買いをした本。
佳嶋さんの絵は、この本の美しくも残酷で、厭世的な世界観にピッタリなのです。
(皆川博子さんの著書の挿絵も佳嶋さんが手がけたものがあり、時々混同します。
両方とも、とても好みの作家です。)
絵だけでなく、内容もハマりました。
どうもこの手の本に弱く、ジャンルは違えど、根底には暗くて澱んでいる雰囲気にとても心が落ち着いてしまう。
読み返す回数も多いです。
内容:主人公の視点で物語は静かに語られる。
中世風の舞台が、一変して・・・予想もしない展開!
同一の世界で語られるのにも関わらず、次々に開かれる異なる世界に翻弄される主人公。
主人公にとっての現実とは。最後には、自ら望むものを選択する。
異世界ファンタジー小説?刑事小説?と思いきや、ミステリー。一粒で何度もおいしい。
お気に入り度:★★★★★
やはり小説はこうでないと!と満足できる。
著者の感性はすばらしいのでしょう。
どっぷり活字の世界にハマりたいときに。