森見 登美彦著 太陽の塔
「太陽の塔」
森見 登美彦著
新潮文庫 初版:平成17年
この本は本棚の中に2冊ありました。
たまに無性によみたくなる、アクが強い文体には、元気が出るというか、ヒリヒリ痛い?・・・なんとまあ、パワーが吸い取られそう。
だから、読みたい時に探す間も惜しんで買ってしまったのでしょう。
実は、知り合いのプレゼント用に、更に2冊ほど買っている。
あまり本を読まない人や、おもしろい本ない?という人にオススメしていました。
内容:濃いメンツが繰り広げる恋やもろもろ、汗臭い青春模様。
主人公の一人称で物語が語られる。
舞台は、森見氏といえば、おなじみの京都。
怒涛の妄想・妄執・確執・・・カオス!その中で語られる元カノ・水尾さんへのせつないほどの愛情、友人達やライバルとのえげつない人間模様。
確固たるストーリーが展開される訳でもなく、回顧を交えながら、主人公の心情に流れ流され、物語は進んでゆく。
ようやくたどりついたラストでは、清々しさなどみじんも感じられないのに、なぜだかさっぱりした気分となる、不思議。
お気に入り度:★★★★★
語り手の妙!京大生の失恋は、一味も二味も違う・・・というか、ところどころ、失恋すら置いてきぼりにされている!
この本の空気感がなんだか好き。
恋愛小説っぽくないクセにせつない気持ちにさせるのです。