恩田 陸著 夜の底は柔らかな幻
「夜の底はやわらかな幻」上下
恩田 陸著
文集文庫 初版:平成27年
日本に昔からある集落や街並みなどが恩田陸さんの本にはたくさん出てきます。
また、悪夢のような、暴力的で、グロテスクで趣味の悪い(と、おもってしまう人も多いと思います)演出も多々見かけます。
それがあるから、時に美しく崇高に感じてしまう?
恩田陸さんの本をほかに数冊読んでからのほうが、より深く世界に入り込めます。
原始からある、人間を超越した存在とか・・・それでもSFっぽくならない不思議。
民俗学的なにおいを感じられます。
そして、そして、なぜだか、血みどろなのに胸キュンな場面が、ある・・・!!!
内容:厳重な警備にかこまれた故郷に帰ってきた主人公。
過去にあったできごと、人間関係、思惑、いろんな要素が絡まりあい、ストーリーが進みます。
後半は「山」が舞台になりますが、そこは人間がよく知る世界ではなく、異様にねじまがった、人の常識から外れる世界。
力を持つ人が集まり、ぶつかり、飲み込まれ・・・最終的には静かな結末を迎えます。
なんのために?など考えるより先に、世界観にどっぷりつかると良いのです。
お気に入り度:★★★★★
夜によむとぞくぞくして、後悔してしまうような場面が・・・。
こわがりな人は寝る前に読むのはよしたほうがいい!
悪夢を見るかも。
でも、それもクセになるのが恩田陸さんの本なのです。